初めてでもわかる!イラストで見る「総合馬術」の楽しみ方とルール
初めて総合馬術を見られる方にとって、総合馬術と聞いてもどんなことをする競技なのかわからない方も多いはず。
そんなアナタの為に、今回は『初めてでもわかる!イラストで見る「総合馬術」の楽しみ方とルール』と題して、総合馬術競技についてわかりやすくご紹介したいと思います。
総合馬術競技ってどんなことするの?
総合馬術は、馬場(調教審査)、クロスカントリー、障害飛越の3種目を同一人馬でたたかうもので、3日間かけて行うこともあり、「3DAY Events」と呼ばれています。まさに人馬ともに体力、精神力が必要な競技です。
最終的に、上記3種目の減点合計が少ない人馬が上位となります。騎乗馬の能力を正確に把握し、クロスカントリー走行時のコース取りを緻密に計算することや、競技期間を通して馬のコンディションを良い状態に保つことが必要です。
【1日目:馬場(調教審査)】
総合馬術競技における馬場(調教審査)は、翌日に実施される総合馬術のメイン競技「クロスカントリー」に向けて騎乗馬がどれほど調教が進んでいるかを審査されます。騎乗馬には柔軟性のあるしなやかな動き、また選手の指示に従順であることが求められます。具体的には、騎乗馬のハンドリングやスピードにどれほど対応が可能か、など馬がクロスカントリーの走行に対応するための調教が充分にできているかを審査されます。
【2日目:耐久(クロスカントリー)】
総合馬術のメインが迫力満点のクロスカントリーです。クロスカントリー競技は、自然に近い状態の地形に竹柵、生垣、池、水濠、乾濠など、丸太などの天然素材で作られたボリュームのある障害物が設置されます。世界のトップレベルの大会では、コースの長さは6km以上にもなり、飛越する障害物は40を超えます。そのハードなコースを分速570m(時速34.2km)のスピードで駆け抜ける様子は迫力満点です。
また、ロングルートが設けられている障害もあります。これはダイレクトルートよりも容易に通過しやすく作られますが、その分走行距離が長くなるため、タイムに影響するものです。選手は騎乗馬の能力に応じて、拒止・逃避のリスク(減点20)を覚悟してダイレクトルートを行くのか、あるいは時間はかかっても安全策をとるかの選択をしなければなりません。
とにかくスリリングで見どころいっぱい!また、設置されている障害物は固定されているため、馬が肢を当てても落下することがない。飛越のタイミングを大きくはずしてしまうと、選手が馬とともに転倒する危険もあるので、人馬の信頼はもちろんのこと、テクニックと勇気が必要になります。
【3日目:障害飛越】
そして最後の競技が障害飛越です。ハードなクロスカントリー競技の翌日、獣医師によるホースインスペクション(馬が競技への参加を続けるだけのコンディションにあるかどうかをチェックされる)が行われます。選手やスタッフは、馬のコンディションを維持するためにあらゆるケアをしてインスペクションに臨み、合格した馬がこの競技への参加を許されます。
高さが130㎝までの障害が10~13個設置されたコースを走行します。ただし、前日にはクロスカントリーを走って馬が疲れていることもあり、慎重な走行が求められます。馬の余力がどの程度残っているかがポイントになります。
総合馬術競技の採点方法やルールは?
ここでは、主に2日目に行われる耐久(クロスカントリー)をご紹介したいと思います。全長6km以上、障害物数40程度のコースを決められたタイム(規定タイム)以内に周ってくることが出来るどうかで採点されます。規定タイムを超えるとタイム減点、コース走行中に拒止(障害物を前に馬が止まること)などがあると減点、など採点では減点法をとっています。以下に主な減点を紹介させていただきます。
このようにならない為にも、総合馬術で勝つためには、日頃のトレーニング時から人馬のコミュニケーションをしっかりとり、信頼関係を築いておくことが最も大切なことになるのです。