ロンドンオリンピックは馬術を応援しよう!~障害馬術編~

先日、いつもより遅い時間帯に厩舎へ行ったら・・・
そこは人間のいない馬だけの世界。
そーっと入っていくと、馬たちのひそひそばなしが聞こえてきました。
私に気付いた馬たちは、「はっ!!人間が来たぞ!」と一斉に頭を高くして私を確認します。
そのあとは「ドゥドゥドゥー。ヒヒヒーン。ブブッ。」などと馬語で私に話しかけてきました・・・

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クレイン茨城のオルフェウスが通りかかった私に何か頂戴と言っています。
こんにちは、高橋です。
もちろん、馬たちのひそひそばなしは私の想像です(笑)
もう少し現実を描くと、基本、厩舎(きゅうしゃ)にいるとき馬たちは休憩をしています。もうレッスンもすべて終わり、みんな自分たちのお部屋(馬房ばぼう)に戻っていました。
そろそろ、夜ごはん(飼い)の時間かな~というときに、私が厩舎に入っていったので、馬たちは「んっ!ごはんか!?」と鼻をならしていたわけです。
馬たちは少し遠くのものを耳や目で確認するとき、頭を高く上げます。
なんとなく、馬の世界に一人ではいってしまったような気がして・・・ついファンタジーな想像をしてしまいました。

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クレイン茨城の厩舎のこの通路には両側に28馬房29頭!?の馬たちがいます。
なぜ29頭なのかは・・・イチローとサブローが一緒のお部屋だからです。
さて、本題に入ります。
前の話は何の関係もないかというと、実は少し関係があります。
ロンドンオリンピック馬術競技の種目の一つ、障害馬術について、今日はかんたんにみどころをお話します。
まずは、北京オリンピックの際の様子をYouTubeのOfficial Olympic Channelでご覧ください。
Equestrian - Individual Jumping - Beijing 2008 Summer Olympic Games
障害を飛ぶ前、馬は頭をあげて障害を見ていましたよね。
馬の目は顔の横についており、瞳孔が横長なので、視界は人間よりも横長に見えています。そのため、縦方向の視野が限られており、両目で障害を確認するためには頭をあげて見ないと見えないんですね。馬は両目で見ることにより、障害までの距離を認識します。
選手はこういった馬の性質や性格、学習力をわかった上で、トレーニングを行っていきます。
オリンピック本番はというと・・・
障害馬術では馬場に設置された、10個以上の障害を決められた順番、コースで飛んでいきます。採点は減点方式で、障害コースを完走するスピードも要求されます。
障害を飛越する際、障害のバーを落とさずに完璧に飛越しなければならないのですが、完璧に飛越するためにはその障害へ入り方であったり、スピードであったり、そこまでの準備がとても重要です。それは飛越する障害の種類によっても変わります。(高さや幅が変わります。オリンピックでは障害の高さは高いもので160cm、もしくは幅ある障害で200cmの幅がついた障害が設置されます)
そのため選手は障害コースを下見する際に、自分の歩幅で障害と障害の間の距離を測り、馬の走っている歩数を何歩で(どれくらいのスピードで)障害を飛越するか想定します。
採点は障害のバーを落としたら-4点、障害を飛ぼうとせずに反抗したら1回目は-4点、2回反抗したら、その時点で失権(失格)となります。もちろん障害を飛ぶ順番を間違えたり、落馬したり、制限タイムを超過しても失権となります。
映像で障害馬術を見るときは、障害の種類、騎手と馬がどういう道筋で障害に向かっているか、どうやってバーを落とさないように飛越しているのかなど見てみてください。きっと選手は飛越しているときには、次の障害を見ています。そして、障害飛越後、1歩目から想定したコースを走るよう馬に指示を出しているはずです。
4日~6日で予選が3回行われ、Best35の選手と馬が8日のFinal roundに進むことができます。
日本からは、杉谷泰造選手と武田麗子選手が出場します!
みなさん応援しましょう!!
次回は馬場馬術のみどころです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
7月7日は七夕ですね。
何か短冊に願い事はされましたか?織姫と彦星が年に一度会える日ですね~

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高橋