【馬の品種のおはなし】サラブレッド編
乗馬や競馬で最も身近な「サラブレッド」。けれど、「サラブレッドって何?」と聞かれると意外と「なんだろう?」となりませんか?すらりとした長い脚と、奇麗な曲線、つやつやとした馬体をイメージされる方は多いと思います。
今日は、そんな「サラブレッド」の歴史を少しご案内したいと思います。馬好き、乗馬好きなかたは...ぜひぜひ知っていただきたいです。
サラブレッド(Thoroughbred)は、『徹底的に(Thorough)品種改良されたもの(Bred)』という語源からきているそうで、「強く、早い馬を...」と、血統を改良され、300年以上もの歴史を持つ品種です。体高は160㎝ほど、体重は500kgぐらいで、競馬など人を乗せた状態で時速60km以上ものスピードを出して走ることができます。奇麗な曲線とスタイルのとても美しい馬達です。血統が非常に重要で、サラブレッド同士の交配から生まれた品種以外はサラブレッドとして認められません。
【性格や能力】
血筋の規格はあるものの...その性格、能力はみなそれぞれ!本当に個性豊かです。甘えん坊、いたずら好き、怖がり、すぐ怒る子など(笑)たとえば餌の時間ひとつとっても、ご飯の時間と察すると、待ちきれずバタバタ大暴れ...なんて馬もいれば、ゆったりお行儀よく待っている馬もいます。人との相性も様々。体質的にも、毛の密度の濃い馬、暑さが特に苦手な馬、アレルギー体質など...人間と変わらないそれぞれ個体差があります。
先日、訃報で競馬界を悲しませた、かの有名なディープインパクトは「スタッフが教えたことをすぐにできてしまう優等生で、人なつっこい性格」という特徴から、関係者からは『お坊ちゃまくん』と呼ばれていたそうですよ。
騎乗やお手入れなどのふれあいを通じて、お気に入りの馬が見つかると、ますます愛着がわき楽しくなりますね!乗馬クラブでは、それぞれの馬の性格や得意不得意に応じて、担当するレッスンや出場する競技などを考えていきます。障害物を飛ぶのが得意な馬は障害の競技やレッスンに、繊細な演技が得意な馬は馬場馬術の競技やレッスンに...という感じです。
【サラブレッドのおもな毛色】
鹿毛(かげ)・黒鹿毛(くろかげ)・青鹿毛(あおかげ)・青毛(あおげ)・芦毛(あしげ)・栗毛(くりげ)・栃栗毛(とちくりげ)・白毛 (しろげ)
毛の色は茶色系も細かく分類され、様々な色があります。馬の個体を覚える時は、毛色と白斑という顔の模様を合わせて、覚えるのがお勧めです。
【サラブレッドの原点】
サラブレッドは競走馬や乗馬として、活躍をする優秀な品種で、世界中で飼育されているので、世界的にもとても有名な品種ですが、一番の特徴は『すべてのサラブレッドが1700年代に在来種改良として選ばれた3頭の馬の子孫である』ことではないでしょうか?「三大始祖」といわれる、バイリータルク、ダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアンという3頭のアラブ系の馬から始まり、品種改良され、サラブレッドは誕生しました。日本にやってきたのは明治時代ですが、当初は競馬ではなく軍馬としての活躍でした。ちなみに、生産頭数第一位はアメリカ、2位はオーストラリアで、実際サラブレッドという呼び方が定着したのは18世紀末ごろだそうです。
これだけ「血統」にこだわった品種だから、血筋が良く優秀な人の事を「○○のサラブレッド」などと、人間に対しても表現するのもわかりますね!ただ、注意してほしいのが、じつはこの表現、放送禁止用語に登録されていますので、比喩表現としては要注意です!
奥が深い「血」を受けつぐ馬達!ロマンの「サラブレッド」。2020年のオリンピック競技では、世界中の沢山のサラブレッド達が集まります。皆の活躍への期待が高まります!オリンピック競技では、馬の美しさ、運動能力の高さ、賢さなどを存分に知り、楽しむことができる種目が盛りだくさんとなっています。ぜひ、初めての方にもご覧になっていただきたいです。
written by Okanami