真っ白な馬にまたがって、お姫様を迎えにやってくる王子様。映画やアニメでは昔から登場する定番のシーンです。なぜ、白馬が多いのでしょうか？かっこいいから？目立つから？清潔感？ディズニーに登場する王子様の乗っている馬も実は白い馬ばかりなんです（ラプンツェル、白雪姫、眠れる森の美女...すべて白！）乗馬クラブでもやっぱり白い馬は人気。4月6日「白の日」にちなみ、今日は「白い馬」のお話です。
　一般の人が想像する真っ白の馬は、乗馬、競馬の世界では「白毛（しろげ）/ white horse」とよばれます。そして、真っ白以外の白っぽい馬、グレーがかった馬は「芦毛（あしげ）＝dapple gray horse/Glaucus」などと呼ばれます。生まれたときはグレーですし、肌の色も黒みがかっています（白毛は肌の色はピンク、目の色は黒や、青、茶色など）。芦毛も年をとると段々と白くなっていくので、高齢の芦毛の馬が白馬と呼ばれることが多いですね。白系の馬は頭数が少ないので、広い馬場でも目立ちますし、顔と名前も憶えやすいので人気になるのもわかります！また、白毛と芦毛はあまり馬を見慣れていない方でも、すぐにわかるくらい見た目が違います。そして、じつは白系の馬にはもう一つ「佐目毛（さめげ）」という体全体は白に近い象牙色で皮膚がピンク、そして目が青色という種類があります。

競走馬の世界ではどんな割合で毛色が分かれているかというと...
・鹿毛　約50％
・栗毛　約25％
・黒鹿毛　約14％
・芦毛　約７％
・白毛　約0.04％

　0.04％！まさに白毛はレアキャラです。白毛がうまれる確率はとても低く、1万頭～2万頭に1頭ぐらいの確率でしか産まれないそうです。筆者も15年近く馬に携わってきましたが、残念ながら白毛、佐目毛の馬に騎乗したことはありません。１度は乗ってみたいなぁ...。白毛の希少さを考えると、映画や物語に登場する、大抵の真っ白なあの馬はおじいちゃん？もしくはおばあちゃん馬（高齢の芦毛馬）ということになりそうですね（笑）
　馬好き「あるある」の１つかもしれませんが、「芦毛ちゃんは性格面白いよね～」「なかなか気難しいね」なんて言われることが多々あります。私も長年、芦毛の子を担当していましたが...変人ならず「変馬」でした♪気性も激しく、ほかの馬は嫌いで、でも相性が合えばとてもいい子で。なかなか扱いの大変な子でしたが、私にとってはかわいくてかわいくて、一番思い出に残っている子です。自分の担当するレッスンでは可能な限り、その子とコンビを組んでいました。白い子は変わっているという情報に、根拠はありませんが、白くて印象に残りやすい分、数々の「芦毛あるあるエピソード」が生まれたのかもしれませんね。

　実は奥が深い「白い馬」の世界、いかがでしたか？カラフルで美しい馬たち。「みんなちがってみんないい　By金子みすゞ」あなたの好きな馬の毛色はなんでしょうか？
written by Okanami
参考：
SPAIA
https://spaia.jp/column/horserace/8523
https://uma55.com/horse-color/
https://umas.club/hcc-gray-white