『美しき水の都のピッポカンポス』

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先日、兵庫県にある「神戸海洋博物館」を訪れてきました。神戸のおしゃれな港エリアでもひと際目立つデザインの白い建物があります。神戸港開港150周年を記念した、エントランスホールには、英国軍艦ロドニー号の大型模型と、嵐や海中などの迫力のプロジェクションマッピングが迎え出てくれます!沢山の大航海時代の船たちの模型のほか、存在感があったのが、レプリカではなく本物のゴンドラです。こちらは1968年にイタリア政府とベニス市の厚意により日本に初めて輸入された物だそうです。大きさはイメージしていたものよりもずっと大きく、長さ11m×幅1.7mにもなります。

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 【ゴンドラ/Gondora】
 1000年の歴史をもつとされるゴンドラ。オールは片側だけにあり、ゴンドリエーレと呼ばれる船頭が船尾左舷側に立ち船を操る。かつての宮殿に住む貴族たちの正面玄関は運河に沿ってあり、日々の移動にゴンドラが使用されていたため、水上のゴンドラ文化が発展。赤いカンカン帽をかぶったゴンドリエーレたちが、カンツォーネを歌いながら、低い橋の下をくぐる光景は有名!

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 黒く重厚感のあるゴンドラの両側に...「馬!?」黄金色に輝く美しい馬の装飾が!けれど、よくみると普通の馬ではないようです。前足には水かき?尻尾は竜?調べてみると(←なかなか見当たらなくて苦労しました)これは「ヒッポカンポス(Hippocampus)」というギリシャ神話に出てくる「海神ポセイドン」が乗る戦車をひく馬のようです(ちなみに英語の意味としては「タツノオトシゴ」でもあります)。頭と前半分は馬。半透明の卵の中には、小さな仔馬がみえるという、不思議な伝説の生物で、以前ご紹介した水の魔物「ケルピー」とにていますね。パリーポッターではマーピープル(水中人)によって飼いならされていますが。残念ながら「映画ハリーポッター」では、撮影はあったものの、ヒッポカンポスのシーンは採用されなかったそうです。


 「映画スパイダーマン・ファーフロムホーム」の舞台でもベネツィアなは登場するのですが、観光名所(ゴンドラのヒッポカンポスのほかにも、ベネツィアではサンマルコ大聖堂の四頭の馬の像なども有名です)の他、ゴンドラのシーンも沢山登場します。ちょっと違った視点で映画を鑑賞するのも面白いかもしれません。

 また、ベネツィアでは「外乗」も楽しむことができるようです!ゴンドラで水上散歩を楽しんだ後は、リド島の海岸を馬と楽しむ...なんて、最高のプランですね!
 https://jp.hotels.com/go/italy/family-things-to-do-venice

 美しいゴンドラと、金色に輝くヒッポカンス。いつまでも続いてほしい水の都の風景ですが、このまま地球の気候変動が続くと、2100年までにベネツィアと、周辺ラグーンは水の中に沈んでしまうという予測データも出ているそうです。願わくば、ヒッポカンスがいつまでも光り輝いていられますように!


written by Okanami