皆に知ってもらいたい!総合馬術競技

皆に知ってもらいたい!総合馬術競技

こんばんは、高橋です。
かなり、ご無沙汰しております。
パリオリンピックの総合馬術を見ていて、熱い思いが沸々と、思わず久しぶりに筆を執りました。

やっぱり、馬術はすごいな~と、何が凄いかというと・・・
まずもって、言葉を話せない馬と一緒に行う競技だということ。
想像してみてください。
初めての場所で、初めての障害とか、初めての雰囲気、そんなところを乗っている人を信じて一緒に演技をしたり、走ったり、障害を飛び越えたり・・
それまでの、言葉を超えた信頼関係が無いとできないことですよね!
どうやって信頼関係を築いてくるのか?
知りたいと思いませんか?
けど、そこは、人と馬とその人馬だけの関係、他の人は入る余地が無いんですね~

そして、オリンピック馬術競技、なんと!
男女区別がありません。
オリンピック競技の中で唯一男女区別の無い競技ではないでしょうか。
それは、なぜか?
アスリートは馬だからです。
ちなみに馬にもドーピング検査があります。

そして、さらに、7月26日から行われている総合馬術、実は同一人馬で3種目の競技をこなします。他の馬術競技と何が違うかというと・・
馬には得意、不得意があるので、障害を飛ぶのが得意なら障害馬術競技、馬場馬術競技が得意な馬など、その馬の特性を生かして競技に臨んだりします。
けど、総合馬術とはいい得て妙で、馬場も、障害も、さらにクロスカントリーというトライアスロンみたいな3種目を同じ馬と人で行います。
すごいと思いませんか?

特に総合馬術で注目すべきはクロスカントリー競技、自然の地形の中に設置された障害を飛越していきます。
今回のパリオリンピックのクロスカントリーコースはヴェルサイユ宮殿の公園に作られたコースです。距離5,149m、そこに設置される障害数は28障害、複数の障害の組み合わせもあるので馬の飛越数は41回にも及びます!
それを、制限タイム9分02秒でゴールを切らなければなりません。
なかなかスピードが想像できないですよね。
ぜひ、オリンピックの映像を見てみてください。
コースを規定タイムでインするには分速570mのスピードが必要です。
なかなかなスピードで走っているのに、障害を飛んでいかなければならない。
本当に迫力のあるクロスカントリー競技です。

ここまで、思わず熱く語ってきましたが、ちょっと総合馬術競技のルールについて説明を。
改めて、総合馬術競技は馬場・クロスカントリー・障害の3種目を同一人馬で行います。
違う種目を同じ馬で行う、これは非常に馬とのパートナーシップやコンディションの調整が必要とされる競技で、例えば、クロスカントリー競技で約5キロのコースを走った翌日、障害馬術競技に臨む前にホースインスペクションがあります。

ホースインスペクションは馬が次の競技に臨める状態にあるかどうかを、獣医や審判が審査します。通過すれば最終競技に臨めますが、通過しなければそこで失格となります。
それだけ、3日間を通して馬のコンディションを気にしながら競技を行い、かつ成績を出していかなければならない。そんな競技なんですね。
だから、総合馬術競技は最後まで順位がわからないんです。
例え、始まりの馬場はそんなに上位の順位でなかったとしても、最後は入賞していた。みたいなことが起こるのが総合馬術です。
だから、最後まで気が抜けないんですね。

馬術競技は減点方式です。
総合馬術は馬場・クロスカントリー・障害の3種目が行われます。
1種目目馬場馬術は決められた演目をいかにスムーズに移行したり、美しくみせる演技ができるか?など審判が審査します。馬が会場の雰囲気に反応してテンションが上がったりしても、選手は馬と折り合いをつけながら演技に集中します。各項目の点数のパーセンテージで減点数が決まります。
2種目目クロスカントリー競技は自然の地形の中に設置された障害を飛越していきます。コースの下見は選手しかできないので、今回のパリオリンピックでは5キロ以上に及ぶコースを何回も歩いて確認します。
障害を飛ばずに拒否したら減点20点、規定タイムを1秒超過するごとに0.4減点されます。
今回、規定タイムでゴールしたのは64人馬の内8人馬のみ、その8名の内2名は日本人選手、すごいです!
3種目目障害馬術、障害が落下したら減点4、障害を拒否したら減点4、まず、オリンピックで障害馬術に来る人馬で拒否することはまずありえません。
緊張感が高まる中、いかに普段通りの馬とのコンビネーションを発揮して減点0でゴールを切れるか、そこに注目です!

競技をずっと見ていると、些細な動作で選手が馬とコミュニケーションを取っていることが伺えます。馬場馬術だったら馬の動きと、選手のバランスや手の位置、脚の位置をみてみてください。クロスカントリー競技であれば、どんな障害の前でどんなバランスで臨んでいるか?また、障害を飛越したあと選手が馬の首をポンポンとたたいて愛撫しているところなど、障害飛越競技は、選手は馬が踏み切って障害を飛ぶ位置を合わせて、ペースや障害に向かうラインを調整しています。

これは想像でしかないですが、馬は純粋な生き物で、嬉しいや嫌い、怖い、好きなど、それぞれの形で表現してくる動物です。他の動物と違うのは騎乗する人と一緒に何かをすることが出来ること。きっと、一緒に何かを達成できるのは、馬にとっても嬉しいことで、だから馬術競技が成り立つのではないかと思います。

オリンピックの馬術競技という場はそんな究極の、言葉を話さないけど、高度なことを一緒にやってのけてしまう。そんな馬と人の繋がりの一旦を見ることができる、とても魅力的で興味深い競技ではないかと思います。

ぜひ、馬術競技の応援をよろしくお願いいたします。

高橋


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