乗馬にはまる理由聞いてみました!
イラスト:中野耕一、ライター:綿貫和美
今、乗馬を始める20代が増えています。
乗馬クラブクレインではウエブサイトからの20代の会員が前年比203%と大幅に増加しているそうです。20代は乗馬の何に魅力を感じるのか、どんな風に楽しんでいるのか、同じ20代の乗馬インストラクター橋愛子さん、関末綾香さんにお聞ききました。
狭山乗馬センターの20代インストラクターを訪ねました
――まず、お二人が乗馬を始めたきっかけを教えてください。
橋 小学4年生のとき、狭山乗馬センターの体験乗馬に家族で参加したのがきっかけです。私は最初、乗り気ではありませんでした。
でも乗ってみたら、すごく楽しくて。もともと生き物は好きでしたが、動物に乗るという経験はなかったので、別世界に来たような衝撃がありました。
生き物が相手というのが大きくて、私、体が小さかったんですけど、それでもちゃんと私の言うことを聞いてくれるのに本当に感動しました。
それからは毎週乗馬をするようになって、夏休みはほぼ毎日来ていました(笑)。高校は馬術部のある学校を選んで行きました。
関末 私も狭山乗馬センターの体験乗馬がきっかけです。高校1年生のときで、馬に乗ってみたいと思って自分で調べて一人で参加しました。
もともと私はインドア派で、だれとも会わず、旅行にも興味がないし、誘われないと遊びにもいかないという性格でした。
でも動物とふれあうことは大好きだったんです。動物を飼えないマンションに住んでいて、たぶん動物とふれあいたくて乗馬というものを見つけて、馬に乗ってみたいと思うようになったのだと思います。
乗馬を体験してみて楽しさにはまっちゃった感じです。それからは週2~3回は来ていましたね。
今思うと、私が唯一外に出るきっかけになったのが乗馬でした。
――お二人とも体験乗馬がきっかけで、はまっちゃったんですね。馬の魅力って何ですか?
橋 私は悲しいこととか何かあると、すぐ馬のところに行きます。そういうときは馬もわかってくれて、寄ってきて手をなめたり優しいんです。犬もそうですが、人の様子をよく見ていて、気持ちをわかってくれるんです。
関末 馬の目が好きと言う方も多いです。とても優しい目をしているんです。大きくてつぶらな瞳にいやされて、疲れとかが一気に抜けて、自然と泣いてしまう方もいらっしゃるんです。
20代は乗馬の何に魅力を感じている?
――日ごろの緊張やストレスがほぐれるのでしょうね。ところで最近20代で乗馬を始める人が多いと聞きましたが、実際そう感じますか?
橋 20代が一気に増えた感じがします。社会人になって運動不足だからという方に加え、最近は新型コロナの影響で外に出られなくてストレスがたまるからとか、大学がリモート授業になって自分の時間がつくれるようになったからといった理由で、乗馬を体験してみたいという方が増えました。
――20代は乗馬の何に魅力を感じているのでしょうか?
橋 ほとんどの方から「いやしを求めに来ました」「馬にいやされに来ました」と言われますね。
関末 乗馬は、馬と意志が通じたときが一番楽しいと思います。
「今まで馬にこういう合図をしてもぜんぜん伝わらなかったのに、今日はできたんです! 馬がやってくれたんです!」というときは、会員さんも本当にうれしそうに私たちに報告してくれます。
機械、たとえば車なら、ハンドルを右に切れば右に曲がるのは当たり前ですよね。でも生き物には生き物の意志があります。右に曲がってくれるのは、馬が乗っている人を信頼するからです。
私の指示が伝わって、従ってくれている、意思疎通ができているという達成感、充実感は格別なものがあります。
――相手が生き物だから充足感につながるんでしょうね。お二人はもともと動物が好きということでしたが、乗馬をされる方はみなさん動物好きなんですか?
橋 苦手な方もいらっしゃいます。犬はさわれないけど、馬なら違うかなと言って来られる方も少なくないんです。
関末 最初に動物が好きか苦手か、必ずお聞きするようにしています。ほかにも、馬に乗ると目線が2mくらいの高さになるので平気かどうか、また、揺れるので大丈夫かどうかも最初にお聞きして、その方に合わせ、レッスンの進め方を変えたりもします。
一人でも楽しめる乗馬
――乗馬をモチーフにしたトレーニングマシーンもあります。揺れが良い効果を生んでいるのでは?
関末 そうですね。最初は体験乗馬に来た方も「結構揺れますね」ってびっくりされます。でも、30分くらい乗ればみなさん慣れます。終わると、「もう終わりですか!」と言う方もいらっしゃるくらいです。
橋 それに、よい全身運動になります。女性はそれを目的に来られる方もいらっしゃいます。
姿勢を良くしないとバランスがとりづらいので、夢中になって、なんとか乗れるようにしようとしているうちに、自然と体幹や、腹筋、背筋、内ももなど気になるところが鍛えられますし、全身の筋肉を使うので、滅茶苦茶いい運動になります。カロリー消費は水泳並みなんです。
――馬にいやされながら、乗っているだけで運動になるんですね。
橋 周りを気にせずできるのも良いですね。一人で楽しめます。そこで共通の趣味のお友達ができるとまた楽しいと思います。
20代から乗馬を始める良さ
――乗馬は年齢を問わず楽しめるスポーツですが、20代から始める良さはありますか?
橋 20代は上達も早いです。
ある程度やっておけば、間があいてもできます。たとえば30代でやめて、50代になってまた始めたくなったら、体は基本的な乗り方をある程度覚えているので、また乗れるようになります。習っている方の中には80代の方もいらっしゃいますし、長く続けられるスポーツです。
――20代は学生から社会人になったりと、生活の変化も大きい時ですよね。
関末 そういうご相談も受けます。自分の来たいときに予約を取って乗ることができるので、大丈夫ですよとお伝えします。
週1回の方もいれば月1回の方も、空いた時間に集中して馬に乗り、忙しい時は来ないという方もいらっしゃいます。
――ステップアップにチャレンジする20代は多いですか?
橋 ライセンスを取るのを目指す方も結構いらっしゃいます。履歴書にもかけるライセンスで、5級から1級まであり、5級はわりとすぐ取れます。4級は「駈歩」(かけあし)という走り方ができるととれます。
4級までになると外で走る「外乗」(がいじょう)を楽しむ余裕ができます。なのでみなさんに「4級ライセンスまで目指して頑張ってみませんか」とお声がけしています。
外乗コースでここから近いのは山梨県の小淵沢です。1時間くらい馬を借りて林の中を、景色を楽しみながら走ります。
20代にオススメの会員は?
――乗馬をやってみたいのですが、やはり入会金や会費が気になります。
関末 20代を対象にした割安なプラン「U29」が新しく始まりました。
入会金のほか、月会費、1回の騎乗料をだいぶ抑えることができます。
橋 乗馬がしたくて、いろいろな乗馬クラブを見てきた方からは、「U29は結構安いですね」「今までなかなか手を付けられなかったけど、これならできます」と言われることもあります。
「これくらいだったらジムに通うような感覚でできるかな」とおっしゃる大学生も少なくありません。
それから、同世代が多いことや、クラブ自体の会員数が多いことにも安心されるようです。
1年ずつの更新なので、「時間がある今だけでもできます。1年間しっかりやってみませんか」とご案内しています。
――まずは気軽に、体験乗馬から始めたいですね。
関末 手ぶらで来ていただいて大丈夫です。20代はレッスン料、道具一式レンタル料、保険料込みで3000円ちょっとくらいです。
橋 馬に乗る時間は30分ですが、馬とふれあったり、厩舎を見学していただいたり、トータル1時間半から2時間くらいかけてゆっくりご案内します。
初めての場所で緊張される方もいらっしゃいます。リラックスしていただきながら、クラブのことを知っていただくためにも、時間をかけてのんびりご案内します。レッスンを担当するスタッフがマンツーマンでつきます。
騎乗したら最初はゆっくり何周か歩きます。慣れてきたら、自分で発信や停止の合図を出して馬を動かしてみたり、そこから軽く小走り程度まで、体験者のペースに合わせて進めていきます。
必ずひもがついている状態でのレッスンなので安心してくださいね。
乗馬が終わったら、乗った馬とふれあいます。甘えてくる馬たちも多いので、顔をなでてあげたりして体験者が喜んでいらっしゃるのを見ると、私たちもうれしくなります。
乗馬の先輩からメッセージ
――20代に向けてメッセージを。
橋 自分の時間は20代しかある意味使えないとも思っているので、私自身、自分のやりたいことはやった方がいいと思い、行動するようにしています。
乗馬ってすごく楽しいので、ぜひ体験してみてほしいと思います。私たちが全力でその楽しさをお伝えします。
関末 乗馬に興味があったら、人生に一度でもいいから実際に乗ってみて体感してほしいです。
馬好きが馬について語った動画、見てみてください。
乗馬を始めてみたいと思ったら?乗馬や馬にご興味をお持ちいただき、乗馬を始めたい方にはクレイン会員をオススメいたします。ご入会のご相談・お申込みは乗馬クラブクレイン各会場で承っております。まずは乗馬を体験してみてください。
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